鯡(にしん)

3月から5月にかけて北海道沿岸に大挙してくることから別名「春告魚」とも呼ばれます。

・語源は、身肉を二つに裂いて食べることから「二身」となったとの説が有力ですが、アイヌ語で「ヌーシィ」と呼ぶことから、など諸説あります。

・明治のころまでは「かど(カドイワシ)」と一般に呼んでいたので、ニシンの卵を塩漬けした「数の子」は、「かどの子」が訛ったものだとされています。秋田などではいまでも「かど」と呼ぶ人もおります。

・比較的いたみやすいため、日本や欧米でも主に燻製や干物などの保存食として食され、数の子、子持ち昆布など加工食品としても重要な魚です。特に干物は「身欠きにしん」といい、江戸時代には北前船で本州まで運ばれ、山間部の貴重な食材でもありました。

・国内産の鮮魚は塩焼きが最高に旨いですし、本当に新鮮なものは刺身もおいしいです。

・「身欠きにしん」は、米のとぎ汁で半日から1日かけてもどし、甘味のある醤油で煮て調理します。

・世界一臭い食べ物として有名なスウェーデンの『シュールストレミング』も、塩漬けにしんの缶詰(保存食)です。

〇ひろっこと豆腐などと共に塩魚汁味と合わせた鍋 〇数の子 〇卵の醤油付け 〇卵の酒粕浸け 〇土佐漬け 〇柚庵焼き 〇こぬか漬け(一年以上漬け込んだものを石川、新潟では”ヘしこ”と呼ぶ)