現代の名工・山本省三のお料理レシピ

煮る 焼く 揚げる 蒸す 素材を楽しむ ワンポイントアドバイス

ワンポイント

湯豆腐のポイント

湯豆腐の出し汁に片栗粉を入れると、火からおろしてもお湯が冷めにくくなり煮すぎが防げるため、豆腐に「す」が入りにくくなります。

片栗粉は、出し汁五合に対して大さじ1杯程度を水で溶いて入れます。

魚のバター焼きのポイント

魚のバター焼きは、バターとサラダ油を同割にし、先にサラダ油を入れ、次に溶かしたバターを入れてよくあわせてから魚を入れて焼くときれいなバター焼きになります。

バターは、塊りのまま使わず必ず溶かしてから入れることが大切です。バターが溶けていない状態で魚を入れると、魚は先に油だけを吸収してしまうので、脂臭くなってしまいます。

 

焼き魚(網焼き)のポイント

魚を焼く前に、網を軽く焼いてから魚をのせて焼くと、網に魚がくっつかずにきれいに焼きあがります。

また、レモンの輪切りを網に塗ってから焼くと生臭みもとれ、風味も増します。

魚の生臭みをとる②

鯖や鰯などの青魚は、味付けの際にしょうゆを先に入れ、しばらく煮ます。

その後、生姜を入れてさらに煮ると生臭みがとれます。

魚の生臭みをとる!

魚料理をつくる際に“ふり塩”をしますが、必ず盆ざるなどに魚を移してから塩をふるようにしましょう。

生臭みのもとである魚の汁が下に落ちるようにすることが大切です。

酒とみりんの使い分け

調味料として「日本酒」を使うのは、材料の味を引き立てる(酒の風味で補う)のが目的です。 みりんは、その特有の香味と甘味を調味料として活用する目的のほか、食材のツヤを出したいときに使います。

塩味と甘味

世界で一番おいしいものは「塩」で、世界で一番まずいものも「塩」です!料理には、必ず甘味を先につけてから、甘味を消さないように塩を加えましょう。※塩は砂糖よりも3倍以上も味の比率が高いので、塩味を先につけないようにしましょう。

グリーンピースを色よく茹でる!

グリーンピースに塩を少量まぶして軽く揉みます。それからお湯を沸かして茹でます。 茹で上がる前に「重曹(じゅうそう)」を少し加えるとより冴えた色に茹で上がります。

すき焼きの肉と“しらたき”は離して調理する!

“しらたき”をそのまま鍋の中に入れると、しらたきに入っている石灰カルシウムが煮汁の中に溶け出し、煮汁の肉のたんぱく質が固くなってしまいます。このため、しらたきは下ゆでしてから入れるか、肉と離して入れるようにしましょう。

レンコンの煮方!

レンコンは、鍋に蓋をして煮ると柔らかく煮えます。蓋をせずに煮ると、歯切れの良い煮あがりになります。

“干しシイタケ”を早くもどすには・・・

干しシイタケをもどす時には熱湯は使いません。冷水かぬるま湯を使ってください。
この時に砂糖を大さじ1杯くらい入れて、よく溶かしてから干しシイタケを入れると、驚くほど早く戻ります。

コロッケの揚げ方!

表面はカリッと、中はトロリとしたコロッケをつくるには、中火で芯まで温めてあげるような気持ちでゆっくりと揚げるのがコツ!

“あわ雪”のような大根おろしの作り方

大根おろしを水で洗って、水分を取ったのち、たまごの白身をメレンゲ状態にして混ぜると“あわ雪”のような大根おろしができあがります。

「大根おろし」の辛味とり!

大根は根元の方が辛いため、おろす前に根元の方に少しだけ切り口をつく り、お湯につけてからおろすと辛味が和らぎます。また、大根おろしに酢・味噌 などを混ぜると辛味が中和されます。

「かくし味」に最適な日本酒!

もうひとつ“コク”を出したいとき、味加減に自信がないときなど日本酒を少々入れるだけでOK! 特に煮上がった直後に少量の日本酒を入れることがおいしく仕上げるポイントです。

「レバー」の臭みは牛乳で取る!

とても新鮮なレバーなら、流水で血揉みしてもある程度臭みが取れますが、 牛乳のたんぱく質や脂肪分がレバーの臭みを吸着してくれます。

「タコ」は番茶をひとつまみ入れてゆでる!

「タコ」を塩ゆでするときは、番茶を少し入れてゆでると臭みもとれ、鮮やかな赤い色にゆで上がります。

「あさり」は湯から、「しじみ」と「はまぐり」は水からゆでる!

貝は基本的に水からゆでると、エキスがよく出ておいしいです。ただし、冷凍した「あさり」は臭みが少し残るのでお湯からの方がよいでしょう。

古いお米(古米)を炊くときは、「もち米」を混ぜて炊く!

古いお米の10%~15%程度のもち米を一晩水につけて、これを混ぜて炊くとおいしく炊き上がります。なお、水は古いお米にあわせて30%増しの水加減としてください。

1945年9月11日生まれ。神戸市出身。秋田県横手市在住

学校を卒業後、大阪・東京にて料理修行に入り、昭和47年4月より、妻の郷里である秋田県男鹿市船越に移り、秋田市川反の割烹「玉美」の初板としてスタートする。
修業期間を含め約50年にわたり日本料理一筋に研究・開発に尽力し、秋田県の食文化に深く携わり、県内外の料亭・ホテル・旅館などに100数十名のお弟子さんがいる。
また、全国技能グランンプリや食育推進全国大会などの競技委員も長年にわたり務め、厚生労働省が行う技能検定・技術審査委員なども務めた。
現在は、秋田県横手市の「横手食と農のNPO」に属し、横手市内の保育園・小学校・高校等で食育・箸育講習指導を行うなど、横手市発酵文化研究所の調理開発部長の要職にある。また、弊社横手水産の顧問としても活躍中

・平成15年 現代の名工 卓越技能賞受賞
・平成18年 黄綬褒章
・全国料理コンクール 郷土料理部門において文部・農林・運輸の各大臣賞受賞
その他多数の賞を受賞